薬剤師母の理系な子育て

パート薬剤師母です。幼児教育に興味があります。息子は年中。夫は文系。

受験は課金ゲームです。【中学受験漫画「二月の勝者」の感想】

ビッグコミックスで連載中の「二月の勝者」。生徒を第1志望に合格させる謎の塾講師が登場する中学受験漫画です。ひと昔前に流行った東大受験漫画「ドラゴン桜」と設定が似ていますが「二月の勝者」は中学受験なので登場する生徒達は小学6年生です。

私は地方出身で東京の教育事情に疎いので、中学受験のリアルを知ることができました。塾経営の裏側が描かれてたり、中学受験に興味がある方は楽しめる内容だと思います。

 


二月の勝者 -絶対合格の教室ー 2 (ビッグ コミックス) [ 高瀬 志帆 ]

 

1巻はこちら


二月の勝者 -絶対合格の教室ー 1 (ビッグ コミックス) [ 高瀬 志帆 ]

 

生徒を第一志望校に絶対合格させる最強最悪の塾講師・黒木蔵人。
「親はスポンサー」と言い切りながら圧倒的な情報とテクニックで合格を引き寄せる彼は受験の神様か、拝金の悪魔か?

 

※以下少しネタバレ含みます

漫画の舞台は中堅塾の桜花ゼミナール吉祥寺校。ある日バケモノ級トップ塾のフェニックス(サピックスがモデル)を辞めて桜花ゼミナールにやってきた黒木。この漫画の主人公の1人である黒木の発言はなかなか辛辣だけど鋭いところをついてきます。

 

君たちが合格できたのは父親の「経済力」と母親の「狂気」

冒頭でフェニックス(サピックス)の生徒に言い放った一言。

 

凡人こそ中学受験をするべきなんです。

スポーツや芸術音楽など才能がモノをいう分野は本当に難しい。まだ勉強の方が努力やリターンが得やすい。

 

オープンテストは「新規顧客」獲得のチャンスです。金脈を取りに行きますよ。

6年生の生徒が1年間に塾に落とす金額は平均150万円だとか...

 

中学受験は特急券。お金をかけたものが圧倒的有利。

読んでいるうちに少し焦りが出てきている自分がいる。黒木の策略に読書の私もハマっているのかも。

 

黒木は一見冷徹でビジネスライクなのですが、本当は生徒のことを想っている?という場面も出てきます。彼の行動は自分の功績のためなのか生徒のためなのかはまだ明らかになっていませんが、生徒の適正を鋭く見抜いていて、うまくやる気を引き出していて感心します。生徒の親に対しても駆け引き上手で退塾などのピンチをスマートに切り抜けています。非常にデキる男で敵に回すと怖いけど、黒木のような塾講師がいたら自分の子供を預けてみたいなぁと私は思います。

 

中学受験で第一志望で受からないのは7割。ほとんどが希望のところに行けないそうです。都内では約4人に1人が中学受験しています。受験者のレベルも平均より高いので、トップ層の子たちが熾烈な争いを繰り広げることになるのです。そのため中学受験は高校受験より偏差値が10以上低く出るとか。実際の数値やデータをもとに解説してくれるのもこの漫画の良いところです。

 

2巻では2020年大学受験改革について述べていました。

私の時代は詰め込み教育でもなんとかなったけど、2020年以降は思考力、判断力、表現力などが求められるようになるそうです。例えばすべてマーク問題だったセンター試験の代わりに記述式の問題や英語のスピーキング問題が導入されるとか。そして難関私立大学の合格者数大幅削減もあり、今の子供達を取り巻く状況は非常にシビアです。受験改革の時代に生まれてたらコツコツ型で地頭の悪い私はヤバかったと思います。

 

都内だと中高一貫高校の方が大学受験にも有利だと私は考えているので、我が家も中学受験を検討中です。中学受験は物凄く大変ということは聞いていましたが、塾の費用や親のサポート度合いなど具体的にどのように大変なのかが漫画を通して分かりました。多少の誇張はありますが、事実を元にリアルに描かれていると思います。

黒木がどんな方法を使って生徒たちを合格に導くのか今後の展開が楽しみです。