本物の読解力を身に着けるために幼児期にやるべきこと【出口汪氏講演会の感想】
先日、ピグマリオン幼児教室主催の「出口汪×伊藤恭 スペシャル講演会」を拝聴しました。ピグマリオンの会員でなくても、無料で参加できるものでした。
出口汪先生は、東進ハイスクールの現代文の講師といったらピンと来る方もいらっしゃるのでは?東進の現国といえば、林修先生が超有名ですが、出口先生は参考書で有名だと思います。私も遠い昔、大学受験の時に使っていました。
出口先生がなぜ幼児教育?と思いましたが、国語力を身に着けるのは大学受験からでは遅く、脳細胞が真っ白な状態の幼児から始めるべきだと、自身の予備校講師の経験で気づいたからだそうです。
やはり予備校講師だけあって、出口先生の講演会は簡潔でわかりやすかったです。
忘備録も兼ねてまとめてみました。
出口先生は講演で、新井紀子著「AI vs 教科書が読めない子どもたち」についてお話しされていました。
この本は以前私のブログでも取り上げましたが、簡単に説明すると、AIは計算や記憶は得意だが、文章の意味を理解することができないという弱点がある。人間がAIに勝るには読解力が必要だが、読解力を向上させる方法は、残念ながらまだわかっていないというものでした。
詳しいことはこちらのブログ記事で↓
出口先生も同じく読解力が重要と主張されていて、まさに私が知りたかった読解力の身に着け方について解説をしてくれました。
これからは論理的な思考力が重要に
2020年学習指導要領によると、新たに「論理国語」が高等教育の選択科目になるとのことです。
「論理国語」は、多様な文章等を多面的・多角的に理解し、創造的に思考して自分の考えを形成し、論理的に表現する能力を育成する科目として、主として「思考力・判断力・表現力等」の創造的・論理的思考の側面の力を育成する科目です。
グローバル化や情報化が進むこれからの社会にあたっては、示された情報の信頼性や妥当性を見極めながら、立場や考えが異なる他者の主張を的確に理解するとともに、自分の主張についても、相手に受け入れられるよう、論拠に基づいて効果的に構築する資質・能力の育成が必要であると考えに基づき、新設される予定です。
日本人が論理的な説明が苦手な理由
ほぼ単一民族国家である日本では、ほんの少し発せられた言葉や表情、行動などから、多くを察することが常識だとされる「察する文化」があるため、他者意識(人と人はそう簡単には分かり合えないという意識)を持っていない傾向にある。
今の日本の教育環境だと、論理的説明する習慣が育たず、外国人とうまく話せなくなり、グローバル社会に対応できなくなる。
他者意識を持つことで、他の人にものごとを正確に伝えたいと思えば、自然と論理的に話す必要がでてくるのでは?とのことでした。
読解力、論理的思考力を身に着ける方法
- 親が国語力を身につけ、子どもとコミュニケーションをとりながら、論理的に分かりやすく会話することを心がける。
- 国語力のベースを作る時期は幼稚園くらいからなので、親が子どもの言葉遣いを注意深く観察する。
- 自分なりの解釈で、本を好きなように読むのではなく、筆者の意識で文章を読む。他者意識を持っていないと読書量が多くてもあまり意味がない。(量より質が大事)
- 子供の頃から読み聞かせなどをして、読書する環境を整えてあげる。
- 絵本の読み聞かせのあと、本の内容や感想を聞いてあげる。
英語力をつけるためには、日本語で論理的に説明できることが必要、まず英語力より国語力が大事だともお話しされていました。
そして、今までの教育の常識が通用しなくなるので、親も子どもと一緒に学ぶ必要があるというお話が印象的でした。
AI化、グローバル化など予測不能な未来…親が固定観念にとらわれず、視野を広げていくことも重要なのかなとも感じました。
会場では出口先生の本も売っていたので、購入しました。
具体的に国語力を伸ばす方法が述べられています。
参考