AIに負けない子どもを育てるために幼児期にすべきこと(新井紀子氏の見解)
『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の続編『AIに負けない子どもを育てる』が先日発売されました。
まだきちんと読み込んでいませんが…。前著では、子どもの読解力が低下しているが、その解決策が示されていなく、もやもやを残していました。続編では読解力を向上するために幼児期にすべきことについて、言及していたので、抜粋しました。
- 身近な大人同士の長い会話を聞く機会を増やすこと。特に多様な年代の大人同士の会話を聞く機会があると良い。
- 身近な大人が絵本を開いて繰り返し読み聞かせしてあげてほしい。幼児にとっては繰り返しが楽しい。
- 信頼できる大人に、自分は守られている、と言う実感を持てること。
- 社会に関心を持つようになったら、ごっこ遊びができる環境を作ったり、広告や駅名を読んでやったり、貨幣で何かを買ったり、簡単な調理を一緒にしたりする機会を増やしてあげたい。
- 日々の生活の中で、子どもが身近な小さな自然に接する時間を取ること。子供が十分に満足するまで、そのことをじっくり観察したり感じたりする時間をとってあげたい。
- 子供が自分の関心に集中できる時間を十分に確保すること。
- 同世代の子供たちと十分に接する機会が確保されること。また少し年上の子供たちがすることを真似たり憧れたりする機会が確保されること。
これらは科学的に検証されたことではなく、あくまでも私が主観と論理から導き出したことに過ぎないことをあらかじめ断っておきます。
…という前置きがあったので確証は得られていないようですが。
個人的に目新しいものはなく、読み聞かせやごっこ遊び、自然遊びなど、教育熱心な家庭ならごく当たり前にやってそうなものばかりかなと感じました。幼児期は、まだリーディングスキルの向上のために、特別な訓練などは必要ないという結論なのかもしれません。
新井氏は、全ての子供に0歳から十分に母語のシャワーを浴びる機会、インターネットからはっきり離されてリアルな外部の世界と接触する重要な機会、そして歩いたり走ったり同年代の子供と喧嘩をしたり仲直りしたりする機会が保障されるべきなので、
「すべての幼児は0歳から保育園に通う権利がある」「すべての小学生は学童保育に通う権利がある」と法律に明記すれば良いと考えているそうです。
この意見も主観が入っていて、少し極端かなと思いました。0歳から保育園の子どもと幼稚園に通った子どもで、読解力などに違いが出るのか、検証して欲しいものです。
前作の感想など↓